Part8 PX-716A/JP2でTYG02の4倍焼きがヤバい件について(06/01/28)

 

 DVDのエラーチェックをしてこの方、IDがTYG02の8倍メディアを私のPX-716A/JP2で焼くと、必ずと言っていいほど4倍で焼いたときの品質だけ悪かったのです(太陽誘電のdatad098datad064datad013、Victorのdatad083、TDKのdatad005datad095、SONYのdatad093、FUJIFILMのdatad076)。PIEの数値にしろ、TATestにしろ、同じロットのメディアとは思えないほど極端な変わりようです。

 ですがCD-R検証の頃から、誘電OEMのメディアは極めて優秀で、これだけ事例が揃っているからといってメディアに原因があるとは心情的に言えないのが正直なところです。そこで、他のドライブも使って、「TYG02メディアを4倍で焼くときだけ焼き品質が悪い」という事象の再現性を確かめることにしました。(使用したメディアは、太陽誘電「DR47CP20SPAED」。LF-D340とLF-P767Cは、ドライブの限界値がそれぞれ1倍、2倍のため参考記録。)


【検証データ一覧】

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PX-716A DW1640 GSA-4167 ND-4550A
DVR-110
LF-D340(1x) LF-P767C(2x)
PIE(Average)
7.26
11.48
0.25
1.10
1.94
25.95
1.71
PIE(Max)
173
233
12
49
44
292
49
POE(Average)
0.52
0.03
0.00
0.05
0.75
0.08
0.00
POE(Max)
406
184
0
216
254
210
0
POF
0
0
0
0
0
0
0
内 周
Bad
VeryGood
Excellent
Bad
Good
Good
Excellent
中 周
Bad
VeryGood
VeryGood
Bad
Good
Good
Excellent
外 周
Bad
VeryGood
VeryGood
Not Good
Good
Good
Excellent
評 価
0
5
10
8
8
3
8
PI Errors(Avg)
5.10
9.98
2.56
6.33
11.50
57.16
1.96
PI Errors(Max)
28
25
12
19
24
101
13
PI Failures(Avg)
0.57
0.02
0.28
0.54
0.57
0.29
0.06
PI Failures(Max)
50
6
8
14
12
17
7
PO 修復不能
0
0
0
0
0
0
0
ジッタ(Avg)
10.92%
7.34%
8.60%
8.44%
8.04%
9.55%
8.43%
ジッタ(Max)
12.7%
8.4%
11.5%
10.9%
10.6%
11.5%
10.2%
注:濃い黄色の部分はPX-716A/JP2+PlexToolsによる数値。薄い黄色の部分はDW1640+CD-DVD Speedによる数値。

【結論】
 当サイトで今までTYG02(誘電OEMの8倍メディア)の4倍焼きで結果が悪かったのは、PX-716A/JP2固有の特徴、もしくは私が所有しているドライブ個体特有の特徴、もしくは焼き品質そのものは悪くなくPlexToolsとの相性がたまたま悪い、のいずれかであり、メディア自体の品質の悪さを表すものではないと言える。

【考察】 
 上の略表、もしくは下のグラフを見ての通り、7種類のドライブのウチ、最も結果が悪かったのがPX-716A/JP2であった。PIEが極端に悪いLF-D340だが、このドライブ自体すでに5年前のものであることや、他のメディアにおいても常に最も書きこみ品質が劣ることから、これをもってTYG02が劣る証明にはならない。DW1640のPIEが高い原因は分からない。しかしながら、他の4つのドライブでは極めてよい結果が出ている以上、これらの原因をメディアに求めることは無理があるように思える。また、CD-DVD Speedによる検証データに目を向けてみる。最初に驚いたのは、PX-716A/JP2で焼いたものの数値が「相対的に」悪くないということだ。なので、ひょっとしたら4倍焼きにおける焼き品質そのものは悪くなくて、何らかの理由で、4倍速で焼いたものとPlexToolsとの相性が悪くてPIEを吐きまくっていた、という可能性もないこともないかなあと思ったりもしました。とにかく、CD-DVD Speedの全体的な数値の動向がPlexToolsに相似しているので、こちらを見ても特にTYG02が一般的に4倍焼きでは悪いということを証明する材料にはならない。よって、今まで管理人の頭を悩ませてきたTYG02問題は、「メディア自体に問題があるわけではない」ということで結論としたいです。また、これを受け、DVD品質ランキングの採点の際に、TYG02については4倍焼きを含めないようにして、データの補正を行うことにします。(06/01/28)

【焼きドライブ別検証データ】
Drive
PX-716A/JP2
焼き倍速 4x
PIE(Avg) 7.48
PIE(Max) 176
POE(Avg) 0.09
POE(Max) 203
POF 0
内周 Bad
中周 Bad
外周 Bad
↑内周 ↑中周 ↑外周
     ↑まずはPX-716A/JP2によるTYG02の4倍焼き。PIEも高く、TATestは全てBadとなっています。
↑PI Failuresで盛り上がっている部分が上のPlexToolsでのPOEの盛り上がっているところと同じあたりですね〜。エラー値はこちらは比較的高くないです。

Drive
DW1640
焼き倍速 4x
PIE(Avg) 11.48
PIE(Max) 233
POE(Avg) 0.03
POE(Max) 184
POF 0
内周 VeryGood
中周 VeryGood
外周 VeryGood
↑内周 ↑中周 ↑外周
     ↑BenQのDW1640でのデータ。ファームはBSMBでした。
↑こっちでもややエラー値は高めでした。

Drive
GSA-4167B
焼き倍速 4x
PIE(Avg) 0.25
PIE(Max) 12
POE(Avg) 0.00
POE(Max) 0
POF 0
内周 Excellent
中周 VeryGood
外周 VeryGood
↑内周 ↑中周 ↑外周
     ↑LGのGSA-4167Bです。かなり焼き品質がいいようです。
↑どちらの計測においても、エラー値がかなり低めにおさえられていることが分かります。

Drive
ND-4550A
焼き倍速 4x
PIE(Avg) 1.10
PIE(Max) 49
POE(Avg) 0.05
POE(Max) 216
POF 0
内周 Bad
中周 Bad
外周 Not Good
↑内周 ↑中周 ↑外周
     ↑NECのND-4550Aでのデータ。Land以外は良好な結果でした。
↑PO修復不能がカウントされていますが、DVD再生については何ら問題がありませんでした。PlexToolsよりもCD-DVD Speedの方が計測がシビア?

Drive
DVR-110
焼き倍速 4x
PIE(Avg) 1.94
PIE(Max) 44
POE(Avg) 0.75
POE(Max) 254
POF 0
内周 Good
中周 Good
外周 Good
↑内周 ↑中周 ↑外周
     ↑PioneerのDVR-110。2つの計測ソフトの結果が大きく、よく分かりません。
↑どちらの結果にしろ、特に問題はないと思われます。

Drive
LF-D340
焼き倍速 1x
PIE(Avg) 25.95
PIE(Max) 292
POE(Avg) 0.08
POE(Max) 210
POF 0
内周 Good
中周 Good
外周 Good
↑内周 ↑中周 ↑外周
     ↑PanasonicのLF-D340。大昔の等倍焼きドライブ。製品自体が限界か。
↑誘電製メディアでこれだけエラーが出るのだったら、台湾製の劣悪なものならどれだけカウントするのでしょうか・・・。

Drive
LF-P767C
焼き倍速 4x
PIE(Avg) 1.71
PIE(Max) 49
POE(Avg) 0.00
POE(Max) 0
POF 0
内周 Excellent
中周 Excellent
外周 Excellent
↑内周 ↑中周 ↑外周
↑PanasonicのLF-P767C。これ、意外と数値が出やすい(=焼き品質がよさげな)ハードなんですよ。新型も出て最近は投げ売り状態だから、下手すれば1万円くらいで買えちゃいます(私が購入したときは\28,800(T.T))。おしゃれだし、みなさんもいかが?(^^;)
↑ホラ、すごいでしょ?(笑)。ちなみにUSBから電源を供給する方で焼いています。

  というわけで、今から晩ご飯。これから息子たちに納豆を食わせたあと、DVDランキングの見直しをしてみたいと思います。取り敢えずTYG02問題、終了といたします。