Part2 エンコード試行錯誤編

 まず試したのが雑誌に載っていた「TMPGEnc」でした。「無料」ということと、「プレイステーションのソフトにも使われている」という宣伝文句につられてインストールしました。
 当時のTMPGEncのバージョンがいくつだったか(まだプロジェクトウィザードも無かった頃です)覚えていませんが、初めて見たときに

「何という難しいソフトだ。こんなん使えるわけがないじゃん。それにフリーソフトよりも市販ソフトの方がお金を出す分、画質とかもいいだろうしなあ。」

と感じ、あっさり使うのをやめました。アホです。アホですぇ〜。先入観というか、使い込まないうちに決めつけてしまって。この時もっと勉強していれば・・・、と思うのは後の祭りでした。ここからさながら「エンコード漂流」が始まります。また、この頃自作機をプチ改造しました。

購入:2002年1月16日

CPU AthlonXP 1600+ BOX 18,970
M/B ECS K7S5A 8,970
メモリ 184pin DDR SD-RAM PA2100 256MB 8,770
HDD Western Digital WD600AB(60BG) 12,700

 お気に入りのエンコードソフトを求めて近所の電気屋でいろいろ物色し、まず購入したのが「○ービーライター」(まだバージョン表記がない最初のやつ)でした。決め手は雑誌の特集でエンコードソフトのNo.1になっていたという他人任せな選び方。ちなみにこの時の雑誌で、操作性などを含めたトータルでこのソフトがNo.1で、画質面では「DVD○ラフト」が高い評価を受けていました。

 さて購入して、いよいよ挑戦です。操作はとても簡単でした。「いや〜、簡単簡単。やっぱ金を出して買っただけのことはあるね〜」と嬉しくなってエンコードを済ませました。初めてのエンコード。しかし、出力されたファイルを再生してみて愕然としました。「なんじゃこりゃ・・・。」

 この時からあくなきブロックノイズとの戦いが始まりました。

 今にして思えば、ことmpeg1のエンコード画質に関しては当時はTMPGEncが一番図抜けていたのではないでしょうか。実はこの後、「パ○ーディレクター(最初のバージョン)」「○ークショップ(めちゃ高い割に・・・なソフト)」「DVDク○フト」など、エンコードできるソフトを次々に購入しました。ほとんど衝動買いなんですけどね。そのたびに期待と落胆を繰り返し、「何のために体験版があると思っているんだ!」と、無節操な自分を呪いたくなりました。少なくとも、画質面で満足できる物は1つとしてありませんでした。

 皆さんもソフトを購入する際は、なるべく体験版を使用してから検討しましょう。
 余談ですが、パチンコや競馬をする人は、「負けはすぐに忘れるが、勝ったとこのことは忘れない。だから常に勝っているような錯覚を起こしてやめられなくなる。」ということがよくあるそうです。この時の私もそれに近い物がありました。「外れだったソフトに使ったお金のことは忘れる。だから次々にソフトを買い続ける。」
 私は人柱になるために生まれてきたのかも知れません。ハイ。

 最後に行き着いたのは結局TMPGEncでした。今までに衝動買いしたことをかなり反省し、これでダメなら諦めようと決心し、手順を紹介しているサイトや公式ホームページを読みあさり、何とかエンコードできるようになりました。画質については明らかに市販の物よりもきれいでした。(ブロックノイズに慣れてきたせいもあるかも知れませんが・・・。)

フリーソフトを舐めてはいけない。
最強ソフトはフリーソフトにこそあると思え。

かけがえのない教訓を得、ここで一旦満足してきました。

 一つ不満だったのは、かすかながら音声と映像に出ている人物の口の動きが合っていないこと。・・・そう、まだこの頃は「音ズレ」が何であるのか、また、音声のサンプリングレートには規格があることなど全然知らなかったのです。「VCDってちょっと音がずれるのが欠点だよね〜。」

 「音ズレ」自体がmpeg1の仕様なんだと、実に幸せな勘違いをしていました。  

↑エンコードソフトの山。殆ど使わなかった物も。合掌。    ↑W杯DVD。音ズレの為見るとストレスが溜まる。合掌。
 次のターニングポイントは2002年夏。そう、「ワールドカップ」です。

 ご多分にもれず私も「にわかサッカーファン」に変身し、「せっかくのワールドカップだから、DVDで保存しよう。」と考えるようになりました。実は年明け早々に念願のLD-D340を購入していました。よく覚えているのは、DVD-R5枚組の値段が約4500円だったという、メディアを買うのに勇気がいるとんでもない価格だったことです。そのためLD-D340を買ったもののメディアを買うことを躊躇していて番組の保存は殆どVCDだったのですが、このワールドカップを契機にDVD熱が燃え上がってきました。この頃はDVD-Rも多少値段がこなれてきていました。

 また、「備えあれば憂いなし」とばかりに、HDDの大増設を行いました。HDDが計3台になりましたが、ケース付属の電源がこれに耐えきれず、ある日の夜中に突然爆発してしまいました(笑)。安物の電源には、安物のコンデンサが使われています。中を開けてみると案の定コンデンサが破裂していました。それ以来、電源はかならずいい物を使うようにしています。(^_^;)

↑破裂したコンデンサ。破裂音で心臓が5秒ほど止まりました。


購入:2002年3月から6月

HDD SEAGATE ST380021A(80GB) 17,920
HDD MAXTOR 6L080L4 流体軸受け(60GB) 12,970
メモリ 184pin DDR SD-RAM PC2100 512MB CL2.5 9,470
電源(-_-;) TORICA SPW-420NP(Super静) 13,970
DVDドライブ Panasonic LF-D340(IEEE1394接続) 46,000

 いよいよ開幕です。DVD-Rを買い込み、フランス対セネガル戦の映像をTMPGEncに読み込んでエンコードし、DVDに焼きました。これで鮮明な画質でワールドカップを見ることができる。さて、出来上がったDVDを鑑賞して・・・・・・久々の愕然!ボールを蹴った2秒後くらいに蹴った音が聞こえるではありませんか!その後、エンコードをWinCDRに変えて焼いてみたりもしましたが、結果は同じ。なんだこれは!?嬉しい気持ちはあっという間に吹っ飛んでいきました。

 ここで解説しますと、私の持っていた SmartVisionPro2 for USB は録画の際の音声のサンプリングレートが32KHzで固定されていたのです。これは音楽CDなら44.1KHz、DVDなら48KHzという具合に数値が決まっており、32KHzで記録された音声は、映像とのタイムスタンプがずれることにより、音ズレが発生してしまうのです。

 実はこの音ズレの仕組みはしばらく分かりませんでした。焼きソフトを変えたり、エンコ設定を変えたりしてみました。困ったことに、音ズレが起きるときもあれば、起きないときもあるのです。
 それなりに研究を重ね、たどり着いたのが「mpeg2cut」というソフト(というか実行ファイル)を使用して映像を切り張りして焼くことでした。未だによく分かりませんが、この、DOS上でのみ動くソフトを使ってWinCDRで焼くと、音ズレが発生しないことが比較的多かったのです。(続く)