検証4では、動きの激しい映像をソースにして、どの程度の設定にすれば美しい画質を得ることができるかを検証してみた。また、352*480 と 704*480 について、同じビットレートではどちらがよりよい画質か合わせて検証した。検証に使った設定は12種類、ソースはサッカーの映像を用意した。
【検証4】
動きの激しい映像での設定を検証。基本的に352*480 vs 704*480
ソース:mpeg2(4Mbps) サッカーU23日本対韓国戦(2004/02/21)後半の1点目のシーンの前後約4分
エンコード:MVCD2.6ex。
解像度:352*480と704*480との比較だが、他のものも参考までに準備した。
検証方法:20インチのテレビに映して3m程度離れて見る。
注:表の中の「No.」は検証者の目安の番号なので、数字自体に特に意味はないです・・・。

【結果4−1】80分用を目安とした時の設定
(注:E.T.はEncode Timeの略。CPUはP4 3GHz(HT)。評価は独断的かつ相対的な評価です。以下同じ。)

No
解像度
max
min
AVG
F.Size
E.T.
評価
寸評
02
VBR
352*480
3500
300
1200
39MB
12:20 
×
非常に見にくい。ブロックノイズが多く、芝生はまるでタイルが敷き詰められているようだった。アップでもクロースでもモスキートノイズが非常に目立つ。
07
VBR
704*480
3500
300
1200
47MB
24:06
×
上記とほぼ同じ。

【結果4−2】60分用を目安としたときの設定

No
解像度
max
min
AVG
F.Size
E.T.
評価
寸評
03
VBR
352*480
3500
300
1650
52MB
12:28 
×
上記02)よりも少しましな程度。アップになるとノイズが目立つ。芝は所々タイル状になっている。
05
VBR
480*480
3500
300
1650
52MB
16:29
-
再生不可。
08
VBR
704*480
3500
300
1650
52MB
24:39
×
上記とほぼ同じ。

【結果4−3】45分用を目安としたときの設定

No
解像度
max
min
AVG
F.Size
E.T.
評価
寸評
04
VBR
352*480
3500
300
2350
71MB
12:36 
モスキートノイズは見られず。アップの際にかすかに感じるか否か、という程度。芝はわずかにブロックノイズが見られるが、気にならない。非常に鮮明かつ疲れない画質
06
VBR
480*480
3500
300
2350
71MB
16:35
-
再生不可。
09
VBR
704*480
3500
300
2350
71MB
24:45
モスキートノイズは普段は見られないが、選手がアップになって動くとはっきりと出てしまう。後は04)と同じ。

【結果4−4(参考)】固定品質(CQ)設定時における画質

No
解像度
max
min
AVG
F.Size
E.T.
評価
寸評
01
CQ
352*240
1900
270
75
40MB
04:53 
この解像度特有のぼやけた画質で、鮮明さでは他のものよりも数段落ちる。しかしながらブロックノイズは殆ど見られず、モスキートノイズがたまに見られる程度。画質は申し分なし
10
CQ
352*480
2000
270
75
56MB
06:34
01)を鮮明にした感じ。
11
CQ
480*480
2000
270
65
55MB
08:29
-
再生不可
12
CQ
704*480
2500
270
65
70MB
15:49
10)とほぼ同じ。

【考察4】

 動きの激しい映像の場合、次のことが言えそうです。

「同じビットレートなら、352*480>704*480>>>(越えられない壁)>>352*240」
「同じ解像度なら、高ビットレートVBR>固定品質>低ビットレートVBR」

 さて考察に移ります。

 45分用以下の設定では、動きの少ない教養番組では目立たなかったノイズが大変よく目立ちました。少なくともサッカー番組のような動きの激しいソースではこれらの設定は使い物になりません。上記結果の通り、例えばAVG1650の704*480VBRよりもデフォルトのMVCD352*240の方がマシです
 問題は45分設定のビットレートの場合。意外というか、予想はしていましたが、解像度が高いとその分ノイズも目立ってしまうんですね。高解像度での映像を楽しみたかったら、ビットレートを上げるしかありません。さらに上げることも可能ですが、例えば30分しか入らないような設定にしたら、サッカー1試合につきCD-Rが3枚くらいいる計算になります。これは少し非現実的です。というわけで、本サイトでの結論としては、動きの激しい映像について、オススメの解像度としてはあえて352*480をチョイスします。(04/02/29)

 ちなみに、60分程度の番組を収める場合、VBRよりもCQの方が画質はいいかも知れません。CQはファイルサイズを指定できないのが難点ですが、試す価値はありそうです。